著者はインデックス投資には2つの欠点があると指摘しています。
欠点①運用担当者が投資する銘柄の自由度が低い
インデックスに連動しているため、組み入れられている銘柄が急落しても、運用担当者が銘柄を売却できない。下落しているのをじっと見守るしかできない。
欠点②「時価総額の大きい銘柄」が「優良な企業」とは限らない
「時価総額が大きい銘柄」の中には、実力以上に過大評価され、割高になっているものや、成長が期待できないものがある。インデックスファンドはこれらの銘柄にも投資しなければならない。
以上の2点の理由から、著者は「投資信託を活用した資産形成は、インデックス型がベスト」という定説に賛同できないそうです。投資ブロガーの方の中にも、インデックス投資をしない理由として、この2点を挙げる方はいるかと思います。だから投資するなら優れたアクティブファンドだと。
じゃあその優れたアクティブファンドをどうやって見つけるのか。皆さんご存知の通り、アクティブファンドのほとんどはインデックスファンドに勝てません。その中で勝てるアクティブファンドの判断基準として著者が挙げているのか、「運用担当者が優秀かどうか」という点です。
この運用担当者でアクティブファンドを選ぶという視点は、現在の私の投資スタイルの指針となっていることのひとつです。この考え方に出会ったことで、私の投資スタイルは大きく変わりました。
アクティブファンドの運用担当者、と聞いて真っ先に思い浮かぶのが、レオス・キャピタルワークスの藤野英人さんだと思います。ちょうどこの本が出る数か月前、テレビ東京の『カンブリア宮殿』に登場し、運用する「ひふみ投信」は飛躍的に資産残高を伸ばしています。しかも2017年に限っては、パフォーマンスも申し分ないものでした。そもそも私がこの本を知ったのも、藤野さんのSNSでの投稿だった気がします。
私も「なんかひふみがすごいらしい」というのを知って、トライアルで月1万円程度、ひふみプラスを積み立てていました。そんな時にこの本で「運用担当者でアクティブファンドを選ぶ」という考えたを知り、非常にしっくりきたのです。ちなみにこの本で紹介する10本にひふみ投信は入っていません。その辺りもうーんという感じなのですが。
本書では「本当にお金が増える投資信託」として、アクティブファンドを10本紹介しています。正直ここで紹介されているアクティブファンドの9本は、あまりピンとくるものではありません。しかし、1本だけ、このファンドに出会えて本当によかった!と思えるファンドが紹介されていました。それが、「J-Stock アクティブ・オープン」です。
このファンドを運営しているのが、ファンドマネジャーの苦瓜達郎さん。
まさに前述した「運用担当者でアクティブファンドを選ぶ」を最も実践している例だと思います。この本でJ-stock、そして苦瓜さんに出会えたことで、2017年の私のポートフォリオは驚異的な数字を叩き出すことができました。残念ながら現在はすべてのファンドが買付停止になっていますが、また買付可能になれば、ぜひ追加で投資したいと思っています。そんな苦瓜さんの著書はこちら。