先日予告されていた、全世界待望(?)の苦瓜達郎さんのコラムの連載が、ついにスタートしました。
これまでこの連載を担当していたのがレオスの藤野さんだったのですが、苦瓜さんのコラムが定期的に読めるということで、とても楽しみにしていました。私は苦瓜さんが運用するアクティブファンドを2つ保有しているのですが、これらのファンドをこれからもずっと保有するのかという投資判断をするためにも、苦瓜さんの情報は随時チェックしておきたいのです。
今回は第一回ということで、自己紹介も含めて苦瓜さんがなぜ小型株投資を専門にしているかというお話です。その中で気になる部分が2点ありました。
ひとつ目がこの部分。
私がわが国に顕著な小型株投資の構造的優位点として考えているのは、組織文化の面で、大企業より中堅企業の方が健全性を保ちやすいということです。日本企業の大半は明文化された契約や規則で社員を動かすのが不得手であり、不文律や暗黙知、共感などでそれを補完する傾向にあると言っていいでしょう。
しかし、これらの補完的要素は組織が拡大するほど有効に働きにくくなります。従って、大企業ではさまざまな問題が起こりがちであり、目の届く範囲で経営を行なっている中堅企業の方が安心感があると考えています。
確かに近年不祥事が発覚する企業が本当に多いですが、どれも伝統のある大企業だったりします。大きすぎて監視の目が届かないということでしょう。そして共感という部分で言うと、中堅企業だけでなく、例えばメルカリなどの新興のスタートアップも当てはまると思いました。彼らの多くは”ミッション”を非常に大切にします。言語化するのが難しい価値観をどれだけ共有できるかという点においては、企業の規模が大きくなると全社員で共有することが難しくなってきます。スタートアップのグロースという意味においても、この視点は非常に参考になるなと思います。
そして、もう一点がこちらの部分です。
もっとも、ここ2年間で小型株が大型株に比べてはるかに大きく上昇したため、現時点での割安感という観点では正直なところ大型株の方が魅力的なようにも感じられます。特に、小型株の中で、成長イメージから大幅に買い上げられた銘柄に関しては、本格的反落のリスクが徐々に高まっていると考えています。
2017年、苦瓜さんのファンドはどれも驚異的なパフォーマンスだったのですが、その揺り戻しがそろそろ来そうということでしょうか。こういうファンドマネジャーの考えをダイレクトに知ることができるという点でも、こうしたコラムは非常にありがたいです。
苦瓜さんの投資哲学を学ぶにはこちらの本がおすすめです。
幻冬舎 (2017-11-30)
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