昨日参加したeMAXISブロガーミーティングですが、プレゼンテーションのメインテーマはなぜ「eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型)」を商品化したかでした。
「eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型)」は2018/4/3に設定される予定のeMAXIS Slimで一番新しいファンドですが、その少し前に設定されたのが「eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)」です。
このように新しいファンドが発表された際、三菱UFJ国際投信の皆さんはインデックス投資家のブログやtwitterをチェックするそうです。
その中で「除く日本」のほうは評判がよかったそうなのですが、3地域均等のほうはなんでこんな商品出したんだ?みたいな反応だったそうで、そういうこともあり、しっかりと説明する機会を設けたとのことでした。
実際私も「このファンド、いる?」みたいな第一印象だったのですが、昨日のお話を聞いてその評価がいい方向に大きく変わったので、改めてまとめてみようと思います。
eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型)について
まずは「eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型)」の商品情報です。
プレスリリースはこちら。
https://www.am.mufg.jp/text/release_180316.pdf
- 国内株式、先進国株式、新興国株式をそれぞれ33.3%ずつ
- 信託報酬は税抜0.142%
- 販売会社は楽天証券とSBI証券
以上が簡単なスペック情報です。
このファンドが発売されると聞いて、最初に思い浮かんだのがこのツイートでした。
どちらも悪くない資産なので、「少し」持ってはいかがでしょうか。RT @Little__mom: 30代の確定拠出年金について質問です。新興国株式と日本株式のインデックスファンドを入れるか悩んでいます…
— Hajime Yamazaki /山崎元 (@yamagen_jp) 2018年1月28日
昨日のブロガーミーティングのゲストでもあった山崎元さんのツイートです。
私はこれを読んで、ああ、やっぱり日本株式と新興国株式はそんなに持たなくていいんだな、と思っていたので、このファンドの3資産均等というのはあまり自分にとっては必要ではないのかなという印象でした。
そんな中で、このファンドを商品化した理由ですが、三菱UFJ国際投信取締役の代田さんの説明によると、大きく次の2点でした。
- MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックスでは自国の株式が少なすぎる
- MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックスでは新興国の株式が少なすぎる
と、書いてみるとそれはそうやろという感じなのですが、もう少し詳しく見ていきます。
MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックスでは自国の株式が少なすぎる
MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックスの日本の株式の比率は、2018年1月末時点で7.8%です。
米国が50%を超えているのに比べるとかなり少ない比率となっています。
しかし、例えばGPIFであれば、日本株式と外国株式の比率は25%ずつとなっており、自国の株式の比率が高くなっています。
これと近い資産配分にするために、日本株式の比率を高めています。
国内株式のファンドを保有することについて、山崎元さんはこうコメントしています。
山崎元「公的年金の運用の議論から引用すると、日頃使うお金が円であるわけだし、我々が問題にしなければならないのは円ベース資産のインフレ率です。この時に、ある程度日本株を持つということがヘッジになる面はあります」
(https://www.am.mufg.jp/lp/253214/より引用)
MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックスでは新興国株式が少なすぎる
新興国についても同様で、例えば中国はMSCI オール・カントリー・ワールド・インデックスではわずか3.3%しか含まれていません。
しかし3資産均等にすることで、9.1%まで比率が高くなっています。
今後米国を追いつけ追い越せで成長している中国をはじめ、新興国への投資比率を高めています。
確かに中国の成長は私も期待しているところなので、この点は非常に共感できました。
このような2点の理由により、3資産均等というファンドを商品化したとのことでした。
楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天VT)より低コスト
つみたてNISA対象ファンドの中でこのファンドと比較対象となるのは、日本を含む全世界に投資する「楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天VT)」ではないかと思います。
それぞれのファンドの信託報酬は下記の通りです。
- eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型):年0.15336%(税込)
- 楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天VT):年0.2396%(税込)
eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型)のほうが低コストとなっています。
インデックスファンドにおいて最も重視すべきポイントとも言える信託報酬においても、このファンドは非常に低コストとなっています。
山崎元さんもおすすめ!
このファンドについて、山崎元さんも応援演説をするわけではないですがと前置きしながら、おすすめのファンドであると仰っていました。
何よりリバランスの必要がないところがメリットであると。
投資はシンプルなほうがよくて、例えばコア・サテライト戦略については「はっきりいってサテライトなんていりません。あれはムダです」と断言して会場の笑いを誘っていました。
そういう意味でも、リバランスの必要がないこのファンドは、非常に有用なのではないかとのことでした。
リスクリターンも非常に効率的になっているようなので、国内、先進国、新興国に投資するファンドとしては、ベストな一本なのかなという感じがしました。
山崎元さんの投資に対する考えや人生に必要なお金の知識を知るには、最新の著書である『人生を自由に生きたい人はこれだけ知っていればいい お金で損しないシンプルな真実』がおすすめです。
【5/17追記】
ブロガーミーティングでの「eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型)」に関するコメントが三菱UFJ国際投信の特設ページで公開されました!
eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型) ぶっちゃけ全世界株式ってどうなの? | 投資信託なら三菱UFJ国際投信
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