昨日の夜、毎日新聞のこんな記事が話題になっていました。
日銀が投資信託の家計保有額30兆円以上を誤計上
日銀が、金融機関や家計など各部門の資産や負債の推移などを示す「資金循環統計」において、投資信託の家計保有額30兆円以上を、誤計上していたそうです。
「資金循環統計」は年1回調査方法を見直す改定を行っていて、今年6月下旬発表分の改定値を算出する際に、過剰計上が見つかりました。
具体的な数値は下記の通りです。
- 17年12月末の家計の投信保有額
改定前:109兆1000億円
改定後:76兆4000億円
- 個人金融資産に占める投資信託の割合
改定前:12年の3.8%から17年の5.8%まで上昇
改定後:14年の4.6%をピークに低下し、17年は4.1%まで下落
ありえないレベルで減少しています。
ちなみにその原因は、ゆうちょ銀行が保有する投信を個人が保有しているものと誤って計算していたこと、だそうです。
そんな中で、次のようなフレーズが爆誕していました。
「貯蓄から投資、実態は逆」というパワーワード
この記事で最も目を引いたのは、「貯蓄から投資」実態は逆というパワーワードです。
記念にスクショをとってみましたが、なかなかのインパクトと破壊力を持つフレーズです。
私は投資信託を中心に投資をしていますが、確かに「貯蓄から投資へ」というフレーズはよく聞いた気がします。
それが逆だったとは。
つまり「投資から貯蓄へ」だった、というわけです。
そんな「貯蓄から投資へ」というフレーズは、一般NISAとつみたてNISAの文脈で使われることが多かったのではないでしょうか。
一般NISAとつみたてNISAへの影響が心配
2014年に始まった一般NISA、そして今年始まったばかりのつみたてNISAにとって、投資信託の保有額が上昇したという事実があるのであれば、それはこの政策の大きな成果であったと思います。
しかしそれが真実ではなかったとすれば、一般NISAやつみたてNISAを推進していた方々にとっては、とても厳しい現実を突きつけられた形になるかと思います。
個人的には一般NISAをフル活用していますし、つみたてNISAも素晴らしいと制度だと思っています。
今回のことが、NISAに関わることで、悪影響が出ないことを祈るばかりです。
実はこの件、日経ではすでに記事になっていた
そんな今回の件ですが、昨夜毎日新聞がドヤ顔で速報を出した後、他の媒体でこのニュースを目にすることをはありませんでした。
不思議だと思いませんか?
実はこれ、日経ではすでに報道されていた事実だったのです。
まずは7月4日のこの記事。
そして7月12日のこの記事。
そしてこちらの記事に至っては、投資信託協会の岩崎俊博会長が、家計部門が保有する投資信託の比率が下がっていることについて「(協会として)気を引き締めて対応する」というコメントまで出しています。
なぜ日経で既報のニュースが毎日のスクープとしてこのタイミングで報道されたのか。
謎は深まるばかりですが、続報に期待しています。
(もうすでにだいぶ盛り下がってるけど)
★こちらの記事もどうぞ★
開始半年が経過したつみたてNISAの現状に関するレポートについてまとめています。