低コスト競争が激化するインデックスファンドですが、主要なプレイヤーの1社であるニッセイアセットマネジメントが信託報酬の値下げを発表しました。
<購入・換金手数料なし>シリーズ6ファンドの信託報酬率引下げ
まずはプレスリリースです。
- <購入・換金手数料なし>シリーズ6ファンドの信託報酬率引下げ(投資信託約款変更)について
https://www.nam.co.jp/news/fpdf/180629_press101.pdf
プレスリリースが出たのは本日6/29ですが、昨日フライングで日経に記事が出ていました。
値下げが発表されたファンドと変更後の信託報酬は下記の通りです。
- <購入・換金手数料なし>ニッセイ新興国株式インデックスファンド
変更後の信託報酬率(年率・税抜):0.189%以内(変更前:0.339%以内)
- <購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(6資産均等型)
変更後の信託報酬率(年率・税抜):0.159%以内(変更前:0.219%以内)
- <購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド
変更後の信託報酬率(年率・税抜):0.159%以内(変更前:0.169%以内)
- <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
変更後の信託報酬率(年率・税抜):0.109%以内(変更前:0.189%以内)
- <購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)
変更後の信託報酬率(年率・税抜):0.159%以内(変更前:0.219%以内)
- <購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(8資産均等型)
変更後の信託報酬率(年率・税抜):0.159%以内(変更前:0.209%以内)
fund of the Year 2016第1位のニッセイ外国株式インデックスファンドの信託報酬も値下げ
今回発表された6本のうち最もメジャーなのは、やはりニッセイ外国株式インデックスファンドではないでしょうか。
fund of the Year 2016で第1位を獲得した、日本のインデックスファンドの歴史において、一時代を築いたファンドでもあります。
投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2016
そして何を隠そう、私も保有しています。
NISA枠で保有しているので、おいそれとスイッチするわけにもいかないのですが、それだけにこうしてコストが下がるのは非常に有難いです。
外国株式インデックスはライバルのeMAXIS Slimよりも低コスト
そんな外国株式インデックスですが、当然ライバルのeMAXIS Slimよりも低コストになっています。
- ニッセイ外国株式インデックス:0.109%以内
- eMAXIS Slim先進国インデックス:0.1095%以内
ニッセイのほうが低コストですが、その差はわずか0.0005%。
先進国を投資対象としたインデックスファンドとしては、現時点で最も低コストとなっています。
eMAXIS Slimもさらなる値下げが予想される
ニッセイアセットマネジメントが信託報酬の値下げを発表したとなると、気になるのはeMAXIS Slimの動きです。
eMAXIS Slimと言えば、業界最低コストを目指すことを明言しています。
まず間違いなくこちらも信託報酬の値下げを発表すると考えられます。
ニッセイアセットマネジメントはそろそろ限界?eMAXIS Slimはまだ余力がありそう
上記で比較したとおり、ニッセイ外国株式インデックスファンドはeMAXIS Slimと比べて、わずか0.0005%しか下がっていません。
このことから考えられるのは、ニッセイアセットマネジメントの信託報酬の値下げが限界に近付いているということだと思います。
ニッセイに余力があれば、もう少し大幅な値下げが行われてもおかしくないと思います。
「なんとかeMAXIS Slimよりも低コストにした」という事実だけを求めた結果なのではないかと邪推してしまいます。
しかしeMAXIS Slimはさらに値下げを仕掛けてくるでしょう。
では、なぜeMAXIS Slimはそこまでコストを下げることが可能なのでしょうか?
ニッセイは店舗を持つ証券会社のWEB、eMAXIS SlimはWEB専業
eMAXIS Slimがニッセイに比べてコスト面において有利な理由として考えられるのは、販売チャネルの違いです。
ニッセイアセットマネジメントは一般的な投資信託ですので、店舗を持つ証券会社のWEBを中心に販売しています。
それに対して、eMAXIS SlimはWEB専業の投資信託になります。
この販売チャネルの違いこそ、eMAXISとeMAXIS Slimの違いなのです。
上記の記事にもあるように、WEB専業の場合、パンフレットなど紙の印刷コストなどを抑えることができるので、店舗を持つ証券会社に比べコストを下げることが可能になるのです。
このことから、ニッセイアセットマネジメントが非常に厳しい戦いを強いられていることがわかると思います。
eMAXIS Slimがどの程度下げてくるのか期待
今回のニッセイアセットマネジメントの信託報酬値下げに発表により、改めてeMAXIS Slimの強さを実感することになりました。
近日発表されるであろう、eMAXIS Slimの信託報酬値下げの発表が楽しみです。
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